2023年5月8日からCOVID-19は5類感染症に移行するということで、今回のワクチンの効果を計算した(前回の表に2021年4月〜2022年10月の数字を記入した)。ワクチン供給後での死亡率は0.2%であり、ワクチン供給前の1.8%より1/10に大幅に下がった。ワクチンによって死亡率が下がると同時に、社会生活を続けることができたという意味で公衆衛生上のメリットがあったといえる。
ただしこの数字は依然として、季節性インフルエンザの死亡率(0.028%、2018/29シーズン)と比較して10倍程度高い死亡率であり、ハイリスクグループ(高齢者、乳幼児、基礎疾患を持つ人など)への対策は続けるべきである。
SARS-CoV-2はその変異株によって死亡率が異なる。現在は死亡率が低い株がcirculationしているとはいえ、死亡率が高い変異株の出現に気をつけなければならない。現存する人々はワクチン接種率が高いため、しばらくは伝播の効率や死亡率が低く抑えられたとしても、数十年後に未感染者やワクチン未接種の人々が多くの割合を占めるようになると、(インフルエンザと同じように)数十年ごとにパンデミックを引き起こすかもしれない。
スペイン風邪 |
COVID19(2019年12月 〜21年3月まで) |
COVID19(2021年4月 〜2022年10月) |
インフルエンザ2018/19 | |
感染者 | 2,380万人(3年間) 人口の43% | 44万人 (ワクチン前) | 2,200万人(ワクチン後) | 1,200万人 |
死亡率 (%) | 39万人 (1.6%) | 0.79万人 (1.8%) | 4.6万人(0.2%) | 0.34万人 (0.028%) |
(2021年4月〜2022年10月のデータ元)https://